結婚は幸せになるためのゴールじゃない

2011.06.13

今の時代は、「結婚」という存在自体が、どんどん希薄になってきている。恋愛の勢いにまかせての、学生結婚というのもほとんどなくなってきました。結婚したら一生を添い遂げるという考え方が当たり前たったころは、実際に離婚率も低かったようですが、今では「バッイチ」は少しも珍しくありません。夫婦別姓を選択する人も増えて、結婚の形態も変わってきたし、独身主義で通す人も、それは一つの生き方のスタイルとして受け入れられてきている。今は、個人の価値観をどこに置くかで、結婚しようがしまいが、何でもありの時代なんですね。結婚適齢期についても、僕らの世代は、女のコは自分の靴のサイズを越えたら焦ると言われていました。靴のサイズが二十三センチのコの適齢期は二十三歳で、二十四センチの子は二十四歳。なかには自分は二十九センチだって言い張っているコもいましたけど。今は、結婚したい女性にとって、「三十歳」というのが一つの転機になってきているようです。でもそこで、三十歳までにというタイムリミットを設定してしまうと、無理か生じてしまうと思うんです。結婚は「この人としたい」から、するものでしょう。それを年齢に合わせてしまうと、「その時期に結婚できる人」を無理して選ぶ形になってしまう。焦りが去って余裕のある精神状態のときに、結婚は意識するべきだと思うんです。僕はそんな意味もこめて、三十一歳からが今の時代の新しい適齢期になるのではないかと思っています。三十歳を過ぎて、恋愛もいくつか経験して、自分のことや生き方など、いろいろなことがわかってきたときにこそ、結婚についても冷静に考えられるようになるのではないでしょうか。男も女も二十九歳までは、大学でいえば一般教養課程です。三十歳ともなれば、世の中にはいろいろな価値観があって、さまざまな人がいて、人のやさしさや人生のせつなさについても、だんだんとわかってくる。同時に、結婚が、幸せになるためのゴールではなく、その後の人生にどうかかわって、どう相手を幸せにしてあげるかという通過点に過ぎないということも、ようやく理解できるようになってくる。そうしたことを頭でなく、心のレベルで考えられるようになるまでには、やはり二十八年なり二十九年なりの歳月を要すると思うんですね。結婚とは、自分とはぜんぜん違う人間と長い人生を一緒に暮らすことです。そのメリットもデメリットも自分の頭の中で、自分なりに整理して、自分は結婚に何を望んでいて、これからどういうふうに夫とともに生きていきたいのか。それをじっくりと考えることができる心の余裕を持てる時期。それが三十歳からだと思うんです。